すすきヶ原茶寮

10862

我が家のIF 館長

2019/10/10 (Thu) 19:45:53

 お前、またその話かよ…言われるかも知れないが、例の階下の件であります。例の老人の部屋のドアが開いていたのですね。例の業者が開けておいたらしい。いや、もう作業らしい作業はありません。においを抜くには空気の通りをよくするしかないらしい。大家はほとぼりが醒めた時に、何にも知らない第三者に貸すんだろうね。表面的に善人ぶっているやつくらい怪しいやつはいないんだよね。でも、この長屋は身寄り頼りのなさそうな年配者が多いから、また同じことが起きそうだ。それが私じゃないことを祈るけどね。人の命は自分の自由にならん。

 話は変わります。SFに「IFもの」というものがありますよね。「もし何々だったら」という想定で話をこしらえる。フィリップ・K・ディックの「高い城の男」がそうかな。まあ、SFならずとも、何かしら誤りを侵した経験のない人間はいないだろう。「あの学校に入らなかったらな」あるいは「あの会社に入れていたらな」…というイフは皆々方の人生にもあろう。私にも壮大なイフがあるのよ。マッカーサーが農地改革をやらなかった…というものです。何度も言うようだけど、私んちの先祖は江戸時代以来越中富山の庄屋でした。土地によって呼び方は変わるけどね。農民を束ねる代官的な位置づけでもあった。要するに、私は世が世なら地主のお坊ちゃんだったわけです。今となってはどこが本貫地なのやらもう全然わからないけれど。戦争に負けちゃったから仕方ないけどさ。ともあれ、親父の代だか祖父の代だか知らないけれど、何もかも失っちゃったのね。

 実際、昨日、親父の経歴についていささか解せないことに気がついた。日中戦争から大東亜戦争当時、親父は中退ながらも(たぶん兵隊に取られたんだろう)大学に通っていました。しかも、東京の。今とは事情が違いますし、我々の時代とも違う。頭がいいだけでは大学には行けなかった。金がかかります。当然ながら、金持ちの子弟しか行けなかったのではないか。そう言えば、親父は先祖の出自が北陸地方にあるとは言わなかった。いっぺんだけ言ったことがあるけど、私は「それがどうした」としか思わなかったな。そんなことは今さら屁のつっぱりにもならないからね。ともあれ、そういう事情で禄を求めて親父は関東くんだりまで流れてきたわけであります。我が家のささやかなオデッセイでありました。

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